【製作記まとめ】ハセガワ 1/72 航空自衛隊 F-15J イーグル 305SQ 40周年記念塗装機
当ホームページ初の製作記事となりますが、今回はこのいわゆる梅組イーグルを製作いたしました。
では、こちらの製作記ではブログのように与太話は交えず、なるべく粛々と展開したいと思います。
チゼルやニードルを駆使して行いますが、この記念塗装機の場合はデカールで隠蔽される箇所でしたので、あまり意味はありませんでした。
最初に接着したのはボディ上面と左右主翼の接着ですが、ここは他のパーツとの兼ね合いがありませんので安心して接着できます。
スキマ埋めは黒い瞬間接着を使用しております。
ここに見えているパーツで概ね揃ってますが、組み立てや塗装に入る前に、じっくりとモールドを観察して楽しみましょう。
その場合、モールドは削り取るようにとのインスト指定がありますが、せっかくの良くできたモールドを削ってしまうのはシノビありませんし、この立体感を生かせば良い具合のなるのではないかと考え、HUDの操作パネル部分以外はモールドを残したうえにデカールを貼ることにしました。
デカールもHUD操作パネル部分は切り離してありますが、形状的にこうしなきゃ貼れませんもので・・。
HUD操作パネルのモールドだけ削り取ったのは、小さくなってしまったデカールだと凹凸に対応できないと危惧したからでございます。
あ、デカールナンバー「101」のスロットルレバー部分も忘れず切り離しました。
なにしろスロットルレバーは当たり前ですが突起物ですから。
概ね狙い通り。
コックピット後ろの電子装備室は、白く塗ったあと墨入れした程度です。
何しろここは、ハセガワ1/72の場合はブレードアンテナが二枚ほど、成形された物がぶら下がってます。
ただ今回は、合わせ目消しやモールド彫りなおしに邪魔なので写真のように切り飛ばしてしまいました。
F-15J実機はマイナーチェンジやら近代化改修やらなんやらで、電子戦機器が追加されていたりブレードアンテナも長いものが付いていたりで、この金型F-15Jが誕生した頃とは様子が変わってしまっているようです。
F-15Jを製作するにあたっては、どのシリアルナンバーの個体のどの時代の仕様なのか・・などを考証して製作するのも面白いかもしれませんね。
今回製作している梅組記念塗装イーグルの場合はどうでしょうか。
再現性の追求は面白いかもしれないけど、抱幕裸は考証し始めるとちょっと疲れてしまったのでブレードアンテナだけを作り替えることにしました。(どないやねん)
なんなら全てオミットしてしまってもアリだとは思いますよ。
アンテナなんぞ付いていようがいまいが、イーグルの格好良さに変わりはありませんから。
こうして見ると雑ですねえ・・。
ただの台形の板がくっついているだけです。
今回は初めて1/72のスケールで使用しましたが、純正の物を頑張ってディテールアップするのも全然アリだったかなと思います。
この辺りは黒色・・と言っても、個人的に白く粉を吹いたような黒だというイメージがありましたので、ウェザリングマスターのスノーを擦り付けて表現しております。
コレだと溶剤で余りを拭き取れば良いので、ペーパー掛けの必要がありません。
二枚が並んでいるので内側の塗装が難しく、塗装後に接着するパターンも多いようですが、抱幕裸の場合はセオリー通りで接着してから塗装は行います。
ここで発生する分割線は、実は実機にはないので消す必要がある、と言うのが理由です。
左側の垂直尾翼のダボ穴の位置が悪く、面一が出ませんでしたのでピンバイスで修正しました。
いちお消失させましたが、記念塗装のデカールを貼るため、あまり意味はなかったかも知れません。
辛い作業ですが、お互い頑張りましょう。
外周にはコヨリにした両面テープを渡して、吹き込み防止とキャノピーの固定を兼ねています。
この記念塗装機の場合はあまり関係のないハナシでしたが、通常塗装機なんかの場合は色の調子がズレてしまうことを防ぐ効果があります。
脚庫はドアパーツをそのままマスキング材として使っています。(ブルタックどめ)
シャドー&モヤモヤを入れ終えた時点で、ライトニングアレスタの貼り付けを思い出しましたので実施。
伸ばしランナーをセロテープで位置決めし、そのままセメントを流し込んで固定します。
塗装前ならどんな補修も利きますから、汚くなってしまうことを怖れることはありません。
いくらでもやりなおしてください。
いよいよ化粧塗装に入りますが、今回はお尻の無塗装部分から始めました。
使用した塗料はクレオスのスーパーチタン2。
赤丸で示しているのは何かの補助排気口だと思われますが、資料写真からは排気で淀れている個体も見受けられますので軽いウェザリングとして表現してみました。
薄めのエナメルブラックをエアブラシで噴射。
細いマスキングテープをパネルラインに何本も貼ってありますが、これは整備による補修後を狙ってのことです。
この無塗装エリアに限らず、自衛隊機はパネルの付け外しによって剥げてしまった部分だけチョンチョンと塗装しなおされますので、結果的に、色の差によってパネルラインだけ明度の際立った模様になってしまっている場合が多いです。
それが模型として塗装のし甲斐や見せ所になりますので、今後もチャレンジして行きたいところです。
今回は好みの問題でテープを使用しましたが、マスキングゾルを使用した方が自然でリアルな補修後になるかと思われます。
赤丸で示した部分からも、実機だと排気汚れが見受けられますが、今回は割愛しました。
今回は記念塗装機ですので、上面はほぼほぼ真っ白になってしまい、塗分ける必要があります。
なので下面の塗装だけを先に終了させるという作戦を執りました。
スミ入れについてですが、抱幕裸の性格的にパネルライナーをチョンチョンやって毛細管現象によって塗料が流れることを待つのはストレスですので・・写真のようにパネルごと塗ってしまっています。
このあたりの汚れ方も個体差の激しい部分ですし、製作している記念塗装機もここまでは汚れてはいません。
そもそも記念塗装機は比較的綺麗な個体に施されますものねきっと。
ただ今回は「イーグルのお腹はオイルで汚れている」という手前勝手なイメージを優先しました。
汚れ方にも正確性はまったくなく、良い言い方をすれば抽象的にやってます。
「だいたいこんな感じ」というね。
それが許されるのも1/72という小スケールだからこそと思ってます。
これが1/32などの大スケールであれば、写実的に汚れを描かなければ漫画になってしまいますけれども・・。
主として汚しに使用しているのはエナメルのクリアオレンジです。
筆やスポンジを使って叩いたり伸ばしたり適当にいじっているうち、気に入った汚れ方になればクリアを塗布して固定します。
そこにまたブラウンや黒など、好きな色を少し重ねて雰囲気をアップさせるという方法を執りました。
インストの塗装図だけではさすがに分かりにくかったので資料写真とはかなり睨めっこしましたっけか。
でも結局は「こうするしかないよね」というラインでテープは貼っています。
真実を知るにはきっと、実機の塗装を施した整備員さんに聴きでもしなければわからないでしょう。
つまり誰にも突っ込まれる恐れはありませんから、あまりに逸脱した塗分け方さえしなければOKなのではないでしょうか。
ここはもう、下地を弄ることもなくツンツルテンに塗りました。
上面はこのように、まるで何かの記念品になるようなイメージを持ちましたが、下面は使用感たっぷりに塗装しています。
その対比の面白さを狙ったフシもあります。
ハイレートクライムしているみたい。
やっぱりイーグルにはこの姿勢が似合います。
でもデカールをよく見ると、その塗分けがちゃんと表現されておりましたので、まったく意味のない行動でございましたとさ。
いつの間にかマスキングだらけです。
ブログの方には書きませんでしたが、この写真に写っているHUDのリフレクターは一旦キャンセルし、新しくやり直してます。
リフレクターは極力薄くした方が良いだろう、という考えで、セロハンテープにレジン液を薄くのばして硬化させたものを切り出し、ガラス板に見立てたものを・・これまた真鍮線ででっち上げたステーに、レジン液の硬化で接着。
瞬間接着剤を使用することによる汚らしさを回避することができました。
実機のイーグル、それもJ型は二枚板のリフレクターになっておりますが、抱幕裸の技術ではちょっとその再現は難しかったので断念しております。
そしてそのバックアップから作成した複製デカールを仮貼りすることで、転ばぬ先の杖でもないのですが・・まずは増槽タンクのデカールの形状の様子を確認することにしました。
・・・なんですか、この裂け目は。
メーカーは、いったい我々に何をさせようとしているのでしょうか。
「前途多難」
そんなファンキーな四字熟語が頭をよぎりましたが、難しそうすぎてなかなか本番に移行する勇気が持てません。
きっと、追い塗りをしたりデカールを切り分けたり・・独自の工夫が前提なのでしょうが、そうしたアンオートマチカルさも模型の楽しみなのだということでしょう。
思案した結果、半分に切り分けて貼ることにしました。
青線を引いて示した部分の話ですよ。
抱幕裸のデカール貼り技術だと、どうしてもこの分割線より下以内には収まってくれず四苦八苦したのです。
これはデカールを塗装ごと剥がして、更に剥がしたところを白く戻したところです。
この製作記に書き記す必要のない荒行でしたので・・詳しくはブログの方を参照してください。
この通り・・イーグルの、実は複雑な曲面にも追従してくれる神様のようなツールです。
今回は下地が白だったことも、隠ぺい力を気にしなくて良かった点で不幸中の幸いでした。
いやはや・・ようやく完成にもって来れましたが、気付けば一か月の期間を要しておりました。
組み立てやデカールなど、難易度の高いキットであると思われますが、その分色んな気付きや勉強になったこともあり、完成品の出来はともかくとして、初心者としてけっこうなスキルアップが出来たのではないかと自負しております。
次にこの記念塗装機を作ることがあるとすれば、できれば1/48で、それもデジタル迷彩部分は塗装でトライしてみたいと思います。